サーフィンアドバイス

前線の種類

寒冷前線
暖かい空気と冷たい空気が接したとき、すぐには混じり合わないで境目を作ります。この境目が、前線面でその前線面が地上と接したところが前線です。(右図参照)
この前線で冷たい空気(寒気)の方が暖かい空気(暖気)より勢いが強い場合、冷たい空気が暖かい空気を押し上げながら下に潜り込んで進みます。これが、寒冷前線です。(天気図では、三角形の記号のついた線で表されます。)
冷たい空気が暖かい空気の下に潜り込む場合、前線面(境目)では右図のように丸くなり暖かい空気を急激に押し上げます。急激に押し上げられた空気は冷えて積乱雲を作ります。積乱雲はたてに成長した幅が狭い雲なので、大粒の激しい雨を短時間に降らせます。

寒冷前線の雨域は広くありません。寒冷前線が移動してくると、急に激しい雨が降り出しますが、2~3時間もすると雨は止み晴れてしまいます。前線が通過すると、暖かい空気から冷たい空気に変わるので気温が下がります。また、暖かい空気(暖気)の領域の風向きから冷たい空気(寒気)の領域の風向きに変るので風向きも変わります。

            【寒冷前線の断面】
温暖前線
暖かい空気と冷たい空気が接したとき、すぐには混じり合わないで境目を作ります。この境目が前線で、その前線面が地上と接したところが前線です。(右図参照)
この前線で、暖かい空気(暖気)の方が冷たい空気(寒気)より勢いが強い場合、暖かい空気が冷たい空気の上を滑るように上昇しながら進んでいきます。これが、温暖前線です。(天気図には、半円形の記号のついた線で表されます。)

暖かい空気が冷たい空気の上を滑るように上昇する場合、前線面(境目)は、右図のように斜め横に広がり、暖かい空気がゆっくり上昇します。ゆっくり上昇した空気は、後方の前線近くに層状の乱層雲を作ります。乱層雲は横に広く広がっていますので、小雨が長く降り続けることになります。
温暖前線が通過したあとは、冷たい空気から暖かい空気に切り替わるので、気温が上がります。更に、冷たい空気(寒気)の領域の風向きから暖かい空気(暖気)の領域の風向きに変るので、風向きも変わります。

            【温暖前線の断面】
停滞前線
暖かい空気と冷たい空気が接したとき、すぐには混じり合わないです。前線面をつくるのは、寒冷前線や温暖前線と同じですが、暖かい空気(暖気)と冷たい空気(寒気)の勢いがほとんど同じなため、前線が同じ位置にとどまる(停滞)ようになります。これが、停滞前線です。(天気図では、三角形の記号と半円形の記号が反対向きについた線で表されています。)
暖かい空気が冷たい空気の上に乗り上げる形になり、温暖前線と同じ前線面を作ります。(右図参照)この場合、暖かい空気がゆっくり上昇するので、後温暖前線の時と同じように層状の乱層雲を作り、横に広く広がっている上に、停滞前線が移動しないため、何日も天気が悪い日が続きます。

日本付近では、6月ごろの梅雨時季と9月ごろの秋雨前線があります。梅雨前線は南の太平洋高気圧が強まってくると、北に押し上げられ梅雨明けとなります。

            【停滞前線の断面】
閉そく前線
普通、寒冷前線と温暖前線は、温帯低気圧に伴って並んで2つの前線ができます。ところが、一般に寒冷前線の方が動きが速いため、寒冷前線は、温暖前線に追いつき、暖かい空気(暖気)を上空に押し上げてしまいます。この前線は、冷たい空気で閉じた形(閉そく)になるので、閉そく前線といいます。
地上付近の冷たい空気も性質が違っていて、後方の冷たい空気が前方の冷たい空気より暖かい場合、後方の冷たい空気(①の冷気)は、前方の冷たい空気(①の寒気)の上に乗り上げて、温暖型閉そく前線を作ります。逆に、後方の冷たい空気は前方の冷たい空気より冷たい場合は、後方の冷たい空気(②の寒気)は、前方の冷たい空気(②の冷気)の下に潜り込み寒冷型閉そく前線を作ります。
(天気図では、三角形の記号と半円形の記号が同じ向きについた線で表されます。)

閉そく前線は、温帯低気圧が発達しながらヒガシに進行し、衰えてきたころ発生します。

          ①【閉そく前線(温暖型)】

          ②【閉そく前線(寒冷型)】